セロリとアライグマ
そのうち新伊がクラスの女からシカトされるようになり、なんとなくオレも敬遠するようになった。

こうやってなんだかんだクラスに文句をつけているが、オレだって流されているんだ。

そのいい例が新伊の事。

クラスの大半がシカトすれば、オレも自然と話さなくなる。敬遠する。
そうなってしまったのだ。


手を洗う行為が原因でクラスからシカトされた新伊。

友達だった女に「アライグマ」とあだ名をつけられ、馬鹿にされた新伊。


オレは、その新伊の気持ちなんてその頃は考えた事もなかった。



「はーい、センセ」

しばらくべらべらと皆が口を開く中、今井が挙手した。にやにや笑いながら。

「お、今井、何か委員に立候補するか?」

田崎はうれしそうに今井に近寄って行った。

「ちがうー。ワタシ、推薦してもいい?センセ」

その瞬間、今井と仲良し4人はくすくすと笑った。

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