セロリとアライグマ
大多数の拍手によって、勝手に新伊は美化委員となった。

同情はするが、別に助けようとも思わないオレ。



「よーし、あと1人、美化委員になりたい奴いるか?」

田崎はチョークで新伊の名を黒板に書きながらホームルームを進めた。

新伊自身美化委員になりたいかなりたくないのか分からないまま。

それでも新伊は何も言わず、うつむいていた。


「えー1人でいいじゃん」

「委員は2人って決まってるんだ。さ、誰かいるか?」

こういうときに限って皆しんと静かになる。

そりゃ誰だってやりたくないだろう。

別に委員になったからって給料をもらえるわけでもないし、誰も掃除好きではない。


「お、うちのクラスはまだ男子は誰も委員になってないな。誰か男子でいないか?」

田崎はクラスを見渡すが、皆下を向く。

特にクラス内の6人の男子はみな目を合わさないよううつむいていた。



そんなもん面倒でやってられない。


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