セロリとアライグマ
「セーローリっ、あんた美化委員やればいいじゃん」

つんつんと後ろの席の兼古がオレの背中をシャープで突っついた。


「余計な事いうなよ」

オレはギロっと兼古をにらむ。

「いいじゃん、アライグマと隣の席なんだし。あんたぐらいじゃない?クラスで部活に入ってない男子」

確かに、このクラスの男子の中で部活に入っていないのはオレだけだった。

まずい。この兼古の一言でオレは美化委員になってしまう。絶対イヤだ。

委員なんて面倒だ。
のに加えて、新伊と一緒というのがイヤだ。


別に新伊がオレに何をしたというわけでもない


だが、クラスにシカトされているヤツと一緒に委員なんてオレのプライド(?)が許さない。

オレまで嫌われているみたいじゃないか。



って、別にこのクラスの女から好かれたいわけでもないけど。


「お、山崎。お前、美化委員やるのか?」

田崎がうれしそうにオレの方を見た。オレは田崎をにらむ。


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