セロリとアライグマ
「やりません。誰もやりたいなんて一言も言ってないし」

「まぁそういうなよ。やってみないか?」

「だから、やらねぇって。誰がやるかよ、んなめんどくせぇ事」

オレはぼそっとつぶやく。


「セロリ、さっさと決めてくんない?いいじゃん、別に。美化委員なんてやる事ないよ、多分」

今井が遠くの席からオレに話しかけた。
適当なことを言っている。

「委員会面倒だったらアライグマに任せればいいじゃん。アライグマはきれいにするの得意なんでしょ?きっと。いっつも手洗ってばっかだもん」

そういって皆笑う。面白くないのに笑っている。

オレの意見なんて無視して皆都合のいいように全て進めていく。


 
って、オレも回りとおんなじだ。

オレだって、さっき新伊がさっさと美化委員やればいいと少し思った。

オレはちらっと新伊を見た。


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