セロリとアライグマ
「山崎くん、今日、委員会あるんだけど行ける?」
6時間目の授業が終わり、HRが終わると佐野はさっさと部活に行った。
オレはとっとと帰ろうとしていた。
そこに新伊が話しかけてくる。
すっかり忘れていた。今日は委員会の日だった。
「…面倒くさいんだけど」
悪いが今日はバイトに行きたい。
5時からのシフトだから委員会なんて出てるヒマはない。
「そっか。じゃワタシ、話聞いとくね」
新伊は嫌な顔一つせず、にこっと笑った。
そして委員会の記録ノートと筆記用具を持って教室を出て行こうとすると、教室の入口で立ち話をしていた安西と兼古が新伊を睨みつけた。
「…調子こいてない?アライグマ」
ぼそっと新伊に聞こえるようにいう。
「なんかムカつくんだよねー、善人ぶってるカンジ」
「そーそー。うちらが悪人みたいに思ってんじゃないの?アイツ」
っていうか悪人だろ、どう見ても。
新伊は聞こえないフリをして教室を出て行った。
それを確認してから二人は飲んでいる紙コップを持ってオレの近くにやってきた。
ていうか新伊の席の近くにやってきた。
何をするのかと思えば、兼古は自分が手に持っている紙コップを、新伊のカバンに向けて逆さまにする。
「あ」
オレは思わず声を出してしまった。
コーヒーが勢いよくバチャっと新伊のカバンに直撃。
新伊のベージュのリュックは一気に琥珀色に染まる。
それをみて、安西は腹を抱えてゲラゲラと笑った。
6時間目の授業が終わり、HRが終わると佐野はさっさと部活に行った。
オレはとっとと帰ろうとしていた。
そこに新伊が話しかけてくる。
すっかり忘れていた。今日は委員会の日だった。
「…面倒くさいんだけど」
悪いが今日はバイトに行きたい。
5時からのシフトだから委員会なんて出てるヒマはない。
「そっか。じゃワタシ、話聞いとくね」
新伊は嫌な顔一つせず、にこっと笑った。
そして委員会の記録ノートと筆記用具を持って教室を出て行こうとすると、教室の入口で立ち話をしていた安西と兼古が新伊を睨みつけた。
「…調子こいてない?アライグマ」
ぼそっと新伊に聞こえるようにいう。
「なんかムカつくんだよねー、善人ぶってるカンジ」
「そーそー。うちらが悪人みたいに思ってんじゃないの?アイツ」
っていうか悪人だろ、どう見ても。
新伊は聞こえないフリをして教室を出て行った。
それを確認してから二人は飲んでいる紙コップを持ってオレの近くにやってきた。
ていうか新伊の席の近くにやってきた。
何をするのかと思えば、兼古は自分が手に持っている紙コップを、新伊のカバンに向けて逆さまにする。
「あ」
オレは思わず声を出してしまった。
コーヒーが勢いよくバチャっと新伊のカバンに直撃。
新伊のベージュのリュックは一気に琥珀色に染まる。
それをみて、安西は腹を抱えてゲラゲラと笑った。