セロリとアライグマ
「うっわ!!ちょー汚―い!!」

「いいじゃん、きれいな色に染まったよね」


二人はカバンを見てお互いに笑っている。

っていうか、全然笑い事じゃない。




「……やりすぎじゃねーの?」

思わずそんな言葉を発してしまった。

あまりに見るに耐え難い醜い行為だった。


二人はオレの言葉にぴたっと笑いを止め、オレに視線をむける。

「別にぃ。アライグマなんだから、自分で洗うからいーじゃん」

「そーそー。あの人、ほんっとウザいんだよね。いちいち手洗いに行ってて。それにさぁ、この間なんてワタシと肩ぶつかって、「ごめん」とか行ってそっこーで手洗いに行くの、あの子。すっげー失礼じゃない?」


同じだ。

この間、今井の捨てたゴミを拾ったときと同じである。



「さ、ミカ、カラオケいこーよ!!」

「そだねー♪ワタシ、スピードの新曲覚えたんだー」

「えーマジで?じゃ歌ってよー!そのあとプリクラ撮りにいかない?髪につけるハイビスカス、どっかで買ってから行こうよ。前約束したじゃん」


< 40 / 123 >

この作品をシェア

pagetop