セロリとアライグマ
「なに、その態度。もういっぺん言ってみな」

超こえぇ。


こんな女とは絶対付き合いたくは無い。

いくら顔がよくてもこれは無いだろう。

いくら反撃しても負けるのは目に見えているので、オレは素直に言うことを聞くフリをする。


「…掃除すりゃいいんだろ?そ・う・じ!!!!」

「分かってんじゃない。さっさとやんなさいよ」

「ったく、うっせーな!!この潔癖症!!!」

「何が潔癖症よ!!アンタが掃除しなさすぎなのよ!!フケツ人間!!」

これがいつものケンカだった。オレは姉と仲が悪い。


ん?

潔癖症…。



「潔癖症…」

「?どしたの?雅由。潔癖症がどうかした?」

姉はケンカ腰な口調をやめた。

オレはふと『潔癖症』という言葉で、新伊を思い出した。

苦しそうに手を洗う新伊を。



「…そういえばねーちゃんって、短大で心理学とか専攻してなかったっけ?」

「何よ、突然。そーよ。心理学科。社会心理専攻だけど」

そう、確か実羽は短大でなにやらそんな学科を専攻していた事を思い出した。
まぁ実際に何を勉強しているかは全然知らないが。

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