セロリとアライグマ
「……それって、病院にいかなくちゃならないわけ?」

「場合によっては薬飲まなくちゃならないし。早めに治療した方がいいと思うけど。まぁ本人がどう思っているかはワタシには分からないけどね」


そういうもんだったのか?

アライグマと笑い飛ばすネタじゃねーよ、こんなの。

そんなものだとは思いもしなかった。


「いずれにしても断言は出来ないわよ。ワタシ、精神科医じゃないし。ちなみに本人は自覚してるの?」

「…前に『変だよね、ワタシ』って言ってた」

「自覚してるけどやめることができないの、強迫行為は。まぁもっとも――あ!!もうこんな時間!行かなくちゃ!」

時計を見て実羽は慌ててオレの部屋から出て行こうとした。

「あっちょっと!!まだ話途中じゃん!!」

「バイト遅れるからまた今度ね!あ、そうそう!ワタシの部屋のパソコン使っていいから。それで調べてみたら?すぐわかるわよ。じゃーね!!」

ドタドタドタと階段を下り、勢いよく玄関のドアを閉めて姉はバイトへ行ってしまった。



オレはしばらく腕組をして椅子に座っていた。

窓から強い日差しが差し込んでくる。

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