セロリとアライグマ
声の主を確認しようと、オレは立ち上がった。
「あれ?山崎くん?」
オレより先に、その女がオレの姿を見つけて声をかけてきた。
新伊だった。
「新伊……」
「山崎くん、ここでバイトしてたんだ!お疲れ様さま~」
新伊はにっこり笑った。オレはぺこっと小さく礼をする。
制服を着ていない新伊を初めて見た。
オレンジ色のキャミソールに下はブラックジーンズをはいている。
どこにでもいる女子高生だ。
普段手を洗っている新伊からはなんだか想像できない姿。
「バイト、いつからやってるの?」
「1年のときからずっと。でももうすぐやめるけどな。親からゼミに集中しろって言われてるから」
「そっかぁ、進学希望だもんね」
オレと新伊が話をしていたら、新伊と一緒に来た弟と思われる背の高いメガネをかけた男がチラチラこちらを見ていた。
「弟?」
「そ。ワタシ、家ここから十分くらい歩いたところなんだ。今までもここのコンビニきた事あったけど、山崎くんに会ったの初めて」
オレは新伊の持ってきた牛乳にバーコードリーダーを当てる。そしてお金を受け取った。
「オレ、夜だけだから」
「そっかー。ワタシ、昼間しか来た事なかったから会わなかったのかな。仕事、がんばってね」
新伊はにこにこ笑ってオレに手を振った。
新伊が出て行ってから弟は慌てて新伊を追いかける。
『ヒサ姉、彼氏?!』
『違うって。同じクラスの山崎くん』
『なーんだ』
そんな楽しげに会話する声が外から聞こえた。
遠い目でオレは店の窓を見ていた。
ああしていると、ホント普通の高校生だし、普通の女の子だ。
オレとだって普通に会話するし。
ただ、ただ新伊が他の人と違うのは、『手を洗う』ということだけ。
「あれ?山崎くん?」
オレより先に、その女がオレの姿を見つけて声をかけてきた。
新伊だった。
「新伊……」
「山崎くん、ここでバイトしてたんだ!お疲れ様さま~」
新伊はにっこり笑った。オレはぺこっと小さく礼をする。
制服を着ていない新伊を初めて見た。
オレンジ色のキャミソールに下はブラックジーンズをはいている。
どこにでもいる女子高生だ。
普段手を洗っている新伊からはなんだか想像できない姿。
「バイト、いつからやってるの?」
「1年のときからずっと。でももうすぐやめるけどな。親からゼミに集中しろって言われてるから」
「そっかぁ、進学希望だもんね」
オレと新伊が話をしていたら、新伊と一緒に来た弟と思われる背の高いメガネをかけた男がチラチラこちらを見ていた。
「弟?」
「そ。ワタシ、家ここから十分くらい歩いたところなんだ。今までもここのコンビニきた事あったけど、山崎くんに会ったの初めて」
オレは新伊の持ってきた牛乳にバーコードリーダーを当てる。そしてお金を受け取った。
「オレ、夜だけだから」
「そっかー。ワタシ、昼間しか来た事なかったから会わなかったのかな。仕事、がんばってね」
新伊はにこにこ笑ってオレに手を振った。
新伊が出て行ってから弟は慌てて新伊を追いかける。
『ヒサ姉、彼氏?!』
『違うって。同じクラスの山崎くん』
『なーんだ』
そんな楽しげに会話する声が外から聞こえた。
遠い目でオレは店の窓を見ていた。
ああしていると、ホント普通の高校生だし、普通の女の子だ。
オレとだって普通に会話するし。
ただ、ただ新伊が他の人と違うのは、『手を洗う』ということだけ。