セロリとアライグマ
階段を上がるとドアが二つあった。オレは右のドアを開ける。

すると、そこは六畳くらいのキレイに整った部屋。


カーテンは薄いグリーン色で、ベッドの布団は水色とエメラルドグリーンのチェック。

清潔感あふれる新伊の部屋がそこにあった。

女の子の部屋らしくきれいに整っている。



オレの部屋とは大違い。



オレはグレー色のソファーに座った。そして部屋をきょろきょろと見渡す。

CDコンポの横はCDが数枚並んでいる。

山崎まさよしやジュディマリ、ELTやglobe等のアルバムがきれいに並んでいた。
壁には動物の写真のカレンダー。


普通の女の子の部屋だ。


テーブルの上には、薄いパープル色の手帳がある。

少し大きめだから、ダイアリーだろうか。



まぁ最近の女子高生はプリクラ貼るために手帳を持っているようなもんだし、めずらしいものでもない。


一瞬、中を見てみたくなった。


だがそれはまずいだろうと思い、手帳にのばしかけてた手を引っ込めた。



きょろきょろしている内に、トントンと階段を上ってくる音が聞こえてくる。

「ゴメンね、待たせちゃって。さ、色塗ろっか」

新伊はもう着替えていた。

ジーンズに半そでのピンク色のTシャツの上はパーカーを着ている。



ていうか、格好よりもオレは新伊の髪をじっと見た。

どうみても少し濡れている。

半乾き?

新伊が部屋に入った途端、シャンプーのいいにおいが広がった。

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