セロリとアライグマ
「ごめんなさい、こんな話しちゃって」

「いえ……」

「ヒサが久しぶりに学校の子連れてきたからうれしかったのね、私。今日は来てくれてありがとう」

新伊の母親がオレに向けて頭を下げた。オレはそれをみて慌てて頭を下げた。

オレはお礼を言われるようなこと全然していないのに。


委員会だってサボってばかりだし、ポスターのこともPHSを届けたりしなければ新伊まかせだったし。

みんなと同じように新伊と関わりたくないと思っていたし。


サイアクだし。




なんだか、かなり自己嫌悪だ。






「こんな時間までゴメンね、山崎くん」

8時半過ぎ、オレは慌てて2階からカバンを持ってきて帰る仕度をした。

エプロンをした新伊は玄関の外までオレを見送りに出てきた。


「いや、こっちこそ。メシ、さんきゅ。うまかったから」

「ホント?よかった。ポスターもどうもありがとう。これで明日提出できるよ」

「そっか。それじゃーな」

オレは自転車に乗ってペダルを踏もうとした。


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