ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「急ぎの案件でも何でもないんだ。ただ、昨日は家に帰りたくなかっただけだ」


年に一回だけのことだと言った。

私から腕を緩めた人は、じっと顔を見下ろして呟いた。




「……昨夜なんだ。母が亡くなった日は」



無表情さが増した様に見えた。
社長の唇が噛みしめられるのを、ただじっと黙って見つめたーー。




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