ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
ドキン、ドキンと胸を震わせながら「はい…」と小さく答え、改めて彼と目を見合わせた。


深入りしたくないと言った人の瞳の中に自分の姿が映っている。
 


ようやく入り込めたんだ…と、確かに実感する。


私は、社長の特別な人間の一人になれたんだ………。




「社長……」


色気のない呼び方をしてしまった。


「申し訳ありませんが…続きはご自宅でしてもいいでしょうか?」


深い意味に取られても仕方のないような言葉を言った。
臆面もなく言えるもんだと、自分自身を呆れる。


「そうだな。もう少ししたら大輔もここに来るだろうし」


行こう…と肩に手を回された。
それもオフィスを出るまでは待って下さい…と、軽く拒否をしてから社長室を後にした。



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