ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
セレブな家庭の人って言うよりかは、サーファー…って感じするもん。


余計なことを考えずにいようと背もたれにくっ付く。
フワフワな感触のクッションは極上。
ついでに言うなら前の二人が好印象過ぎて……



「あのね、商開部のチーム主任がね……」


ケイが一生懸命話す様子を副社長が聴き入ってる。
付き合いだして間もない頃の男ってアッチのことばかり考えてるのかと思ってたけど違う感じ。


少なくともこの人は冷静そう。
ケイが話し易いよう気を配ってる気がする。



「後ろ静かじゃん」

(へっ?)

「俺、横山さんはもっとウルセーのかと思ってた」

(う、ウルセー?)


誰が言ってんの?…つーか、副社長しかいないでしょ。


「う…煩くはない…つもりでした、けど……」


しまった。副社長だというのに逆らった。


「そうかぁ?経理で幅を利かせてるって聞くぞ?」


「そ、そんな……」


誰がそんなイヤな噂を立てるんだ。


「聖は人一倍仕事がデキるから皆がやっかむのよね」


やっかむと言われて閉口する。
そんな風に周りに思われてる自分もどうだろうか。


「私みたいなのと違って、バリバリのキャリア志向だから」


ケイの言葉は憧れみたいなものを含んでるだろうと思う。

でも、あからさまにそう言われると、こそばゆいを通り越して悪意にも聞こえる。


「資格取得を趣味にしてるの」


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