ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「どうでしょう?わからないわ」


我が子ながら大輔のプライベートに関しては十分把握をできていない。
苦労を共にしてきた相手なのに、再婚してからはあまり多くの関わりを持たずにきてしまった。


「あいつの様な男に女がいないと言うのも変な話だろう。祐輔の代わりにパーティーに参加しても、女にお持ち帰りされると噂されるような奴だぞ?」


実際にお持ち帰りされているのを見たことはないが、さっさと姿を消しているのは何度も見たことがある。
その度に女性連れだった…という目撃証言も何度か耳にはしていた。


「居てくれと言うのだから居ましょ。お楽しみはそれからでもいいじゃない」


主人はウキウキとした表情で大輔が来るのを待った。
私は祐輔さんの時と違い、やはり何処か複雑だった。



(大輔の彼女……)


これまではきっと付き合っていても会わせるまでの関係には至らなかったんだろうと思う。

30歳になるまで、それらしい相手にも巡り合ってこなかったんだろうか。


そうだとしたら自分のせいじゃないのか。

怖い体験が、あの子の性格を歪めていたんじゃないのか。


幼い頃に夫の暴力からあの子を守ることしかできなかった。

自分が傷めつけられる姿を見せ続けてきたことで、結婚に対しての期待や願望が抱けなかったのではないか。


女性に対する態度も度々気にはなっていた。

明るく接してはいたが、何処かぎこちない雰囲気を感じることも多かった。


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