ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
ケイ、それは秘密にしておいていいから。


「へぇー」


副社長も感心しないで下さい。


「だったらアイツとも合うかな」


すました感じで言われた。


「アイツって誰?」


ケイが聞いてる。


「羅門」


大勢いると言ってた友達の一人だろうか。


「聖に合わせるのって羅門さんなの!?」


どうやらケイも知ってる人らしい。


「ああ、アイツの店で飯でも食べようと思ったから」


店ってことはコックとか?


「羅門さんの料理って美味しいからね」

「ケイは食いしん坊なだけだろ」

「ひど〜い!」


笑い合ってる二人には悪いけど目の毒。
私がいること、スッカリ忘れてんじゃない!?



「ゲホッ、ゴホッ」


わざとらしく咳き込んでみた。


「聖、大丈夫?」
「エアコン効き過ぎか?」


この二人、妙なとこが似てる。


「大丈夫でーす!」


だからあんまりイチャつかないで。



その羅門とかいう人の店に着くまでの小一時間、いろんな話を聞かされた。


副社長のお母さんは、会長とは再婚同士であること。

真綾の夫でもある社長とは養子縁組で繋がった兄弟だけど、仲は悪くないこと。

副社長は市民ボランティアの責任者としても活動していて、皆からの信頼も厚いことなど。



「今から会う羅門さんもね、そのボランティア仲間の一人なの」



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