ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「愛してる」


その言葉が誰に対するものかと考えるのはやめておこう。

私のことだけを見ていると信じて、この胸に眠るんだ。




夜中に目が覚めると和室へ足を運ぶ。

その胸の中には満たされない思いが重なり合う。


暫し仏壇の前で拝む。

貴女の夫を貸してもらってばかりでごめんなさい。でも、まだ迎えには来ないで……と願う。



父親でもあり夫でもある人は、私にとっても、この女性にとっても一人の男に過ぎない。


命の有無で差があるにしても、かけがえの無い存在には違いないだろうと思う。


綺麗な顏をして微笑む彼女は、永遠に若いライバルだ。


その微笑みが氷のように見えるのは、きっと私の心が狭いからなんだと思い知らさせてばかりの日々だ。




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