ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2

彼の味方は私だけ

両腕を腰にあて、彼女の前に立っている純香は恐ろしい顔をしていた。
意味もなく睨まれている方は顔を引きつらせ、困った様な目で妹を見てる。



「ごめんねー、ケイちゃん」


ほら来い…と肘を掴んで逃げた。

翌週の集まりにも大輔は彼女連れでやって来た。



「離して!邪魔しないで!」


ジタバタと暴れながら抵抗する妹を振り返る。


「あっ?邪魔してんのはお前だろ?」


幼馴染の恋仲に首を突っ込むなと言ってやりたい。


「私は彼女にライバル宣言してやりたいだけだってば!」


「それは止せ。ゼッテー勝ち目ねーから!」


掴んでいた腕を振り解き、純香はそれでもしてくると言う。


「呆れるヤツだな」


「呆れる!?ええ、ええ、呆れてもいいよ!それでもライバル宣言はしてやるの。あの人だけが大ちゃんを想ってるんじゃないって知らしめてやる!」

「怖ぇー女」

「怖くても崖っぷちだもん!今!」


純香は幼い頃から大輔のことだけを見てる。
自分だけが知っていることも、きっとあるんじゃないかと思う。

それがあっても尚かつ今が崖っぷちだと口にするということは、大輔の本気度がきちんと把握出来てるということか。


「お前、ムダに傷つこうとかしてないか?」


下らない傷を心に増やさせたくない気持ちもあって聞いてみた。
怒ってるのか泣きそうなのか判別しにくい顔で、純香はぐっと息を吸い込む。




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