ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「傷増やすだけなら止めとけ」
長年の片思いが叶うなんて、漫画か小説の中くらいのもんだ。
「…それでも」
下を向いたままの妹の口が開いた。ぎゅっと握った拳の中には悔しさを掴んでいるようにも見える。
「それでも、大ちゃんをアッサリ手放すのはイヤ!自分の大事な幼馴染をポッと出の女になんか取られたくない!」
「…ポッと出ね」
本当にポッと出かどうかも知れねぇのに。
「大ちゃんの彼女だと言い張るなら根性見はせてもらう!ちょっとやそっとで逃げる様なら絶対に渡したりしない!!」
(……これはもはや、母親みたいな気持ちに近いのか?)
涙こそ溜めてもないが、どうにも気持ちが収まらないってやつか。
(何をやっても変わんねぇ時はどうするつもりでいるんだよ)
妹と言えど女の気持ちなんて知らない。
俺にも付き合った女の一人や二人はいたけど、ここまで強情でもなかった。
「傷が増えてもいいんなら好きにしろ。その代わり、後で慰めてくれと言っても御免被るからな!」
バカなヤツだ…と呆れながら見送った。
兄からも見離された妹が、素早いスピードで二人のいる所へ戻る。
近づいて来た純香の様子にケイちゃんの顔が引きつる。
恨まれる立場でも何でもないが、とにかく妹の言い分を聞いてやって欲しい。
「……ねぇ、ちょっと」
おいおい、名前くらい呼んでやれよ。
長年の片思いが叶うなんて、漫画か小説の中くらいのもんだ。
「…それでも」
下を向いたままの妹の口が開いた。ぎゅっと握った拳の中には悔しさを掴んでいるようにも見える。
「それでも、大ちゃんをアッサリ手放すのはイヤ!自分の大事な幼馴染をポッと出の女になんか取られたくない!」
「…ポッと出ね」
本当にポッと出かどうかも知れねぇのに。
「大ちゃんの彼女だと言い張るなら根性見はせてもらう!ちょっとやそっとで逃げる様なら絶対に渡したりしない!!」
(……これはもはや、母親みたいな気持ちに近いのか?)
涙こそ溜めてもないが、どうにも気持ちが収まらないってやつか。
(何をやっても変わんねぇ時はどうするつもりでいるんだよ)
妹と言えど女の気持ちなんて知らない。
俺にも付き合った女の一人や二人はいたけど、ここまで強情でもなかった。
「傷が増えてもいいんなら好きにしろ。その代わり、後で慰めてくれと言っても御免被るからな!」
バカなヤツだ…と呆れながら見送った。
兄からも見離された妹が、素早いスピードで二人のいる所へ戻る。
近づいて来た純香の様子にケイちゃんの顔が引きつる。
恨まれる立場でも何でもないが、とにかく妹の言い分を聞いてやって欲しい。
「……ねぇ、ちょっと」
おいおい、名前くらい呼んでやれよ。