ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「私っていうライバルがいるってこと忘れないで!私だけじゃなくて、他にも大ちゃんを狙ってる子は沢山いるんだからね!」


「彼女」なんて特定な呼び方されなかったけど、これまでだって大ちゃんの手が付いた子なら幾らもいた。

H1回ヤれたら即サヨナラでもいいって子は、ホントーに大勢いた。



「あんた、大ちゃんにはもう抱かれたの?」


確かめるように目を配ると、かぁっと顔を赤くする。
ヤッて間もない感じが伺えて、余計でも心の中に風が吹き荒れた。



「フン!」


何よ。どうしていつも私以外の女なのよ。


「1回や2回寝たからって安心しない方がイイわよ、大ちゃんは大抵3回もしたら飽きるんだから」


これまで見てきた経験上からの話。
目の前の女の顔が曇り、ぎゅっと下唇を噛んだ。


「大ちゃんって、女と別れたら大抵私に縋ってくるの。心の中にある古キズ癒せれるの私だけだって言ってた」


これはウソ。
大ちゃんはそんな女々しいことする男じゃない。


「あんたよりも私の方が大ちゃんとは深いところで繋がってるんだってわかった?今だけの彼女なんだってこと、ちゃんと理解できてる?」


見下すような目線を送った。
女の方は唇を噛んだまま、納得いかないような顔をしてる。




「例えば、そうだと、しても……」


ぎゅっと拳を作った女は、奥歯を噛むようにして言い返してきた。


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