ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「…そもそも今の喋り方って何。普通に話せるんじゃん」


あの辿々しい話し方は男ウケでも狙ってやってんの?
真っ赤になって恥ずかしそうにしてたり、吃って話すのも演技だってこと?


「何よ、そうなると私よりもアバズレてるじゃん!」


私も相当なもんだと自覚してたけど、あんなふうに自分を装ったりはしない。
素のままで大ちゃんにも接しているし、他の男達にも演技したりしない。


あんな女に負けてたまるもんか。
男の前で自分を偽るような女に大ちゃんを渡したりしない。



ぎゅっと足元に落ちた吸殻を踏みつけた。

夏の日の思い出が、また一つ残った。



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