ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
その瞬間に立ち会えたことを感謝する。そして、答えを導き出した妹を褒めたい。




「兄さん」


後ろで胡座をかいてる俺に目を向け、涙を拭いた奴が笑う。



「私がフられると思ってるんでしょ?」



憎らしそうに聞いてくる純香にほくそ笑む。



「ああ。多分な」


つーか、間違いなくフられるだろうけどな。



「もしも、万が一フられなかった時はどうするの?」


いや、万が一とかゼッテーにねーだろうから。



「その時は私に散々酷いこと言ったと謝ってくれる?」



「……ああ。そんなの安い御用だ」



「じゃあ兄さんの言う通りにフられた時は?」



「俺がお前に合いそうな相手を探して紹介してやるよ」


檀家廻ってネタ集めでもしといてやるか。



「大ちゃんにも負けないような人にしてよね」


「バカ言え。そりゃ当然に決まってるだろ!」



プッ!と笑った顔が小さい頃のまんまに見えた。


長いトンネルの出口を、妹はやっと見つけた様な気がする。



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翌々週の集まりがあった日、純香は大輔を外へ連れて行った。

二人の様子を見つめていたケイちゃんが、チラッと俺の方に目を向ける。




「気になる?」


俺の質問に声を出さず、不安そうに頷く。


「大丈夫。心配しなくてもいいから」


純香は確実にフられて、片思いに決着はつくんだ。


そして、明日から俺は純香のカレシ探しを始めなくちゃいけない。


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