ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
間違いなく今夜に決まってるのに狼狽える。
大輔さんに勧められるがままに買ってもらったのはいいけど、さすがに自分らしくない気がしてくる。
ドキドキはあり得ないくらいに増すし、おかげで何だか眩暈まで起きそう。
先週以上の胸の震えを感じて彼の家に着けば、あの鈴木さんというハウスキーパーが、ジロジロと遠慮もない視線を投げ掛けてくる。
「いらっしゃいませ」
挨拶する声も低くて怖い感じに聞こえるのは、きっと私が必要以上に緊張しているせいだと思う。
「お…お邪魔い、致します…」
吃るつもりもないのに、上手く舌が運べない。
構わなくてもいいと言われた鈴木さんが立ち去るまで、私の心臓はマックスに近い状態で鳴り続けた。
「行こう」
背中を押されて歩き出しながら思う。
人生はサイコロの目を振るように、前に前にしか進まないんだと。
そして、この階段を上り詰めた先で、私は彼だけのお姫様として変われる。
誰にも邪魔されたくない。
例えそれが、大切な彼の幼馴染と言えどーーー
大輔さんに勧められるがままに買ってもらったのはいいけど、さすがに自分らしくない気がしてくる。
ドキドキはあり得ないくらいに増すし、おかげで何だか眩暈まで起きそう。
先週以上の胸の震えを感じて彼の家に着けば、あの鈴木さんというハウスキーパーが、ジロジロと遠慮もない視線を投げ掛けてくる。
「いらっしゃいませ」
挨拶する声も低くて怖い感じに聞こえるのは、きっと私が必要以上に緊張しているせいだと思う。
「お…お邪魔い、致します…」
吃るつもりもないのに、上手く舌が運べない。
構わなくてもいいと言われた鈴木さんが立ち去るまで、私の心臓はマックスに近い状態で鳴り続けた。
「行こう」
背中を押されて歩き出しながら思う。
人生はサイコロの目を振るように、前に前にしか進まないんだと。
そして、この階段を上り詰めた先で、私は彼だけのお姫様として変われる。
誰にも邪魔されたくない。
例えそれが、大切な彼の幼馴染と言えどーーー