ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「同期入社だからね、かれこれ4年ってところかな」

「入社する前は」

「一切接点ナシ!」


私はM大の商学部出身。
ケイはT芸大のデザイン専攻科出身だ。



「ふぅん」

「ふぅん…って何よ」

「別に」

「だったら聞かないで」



それでなくても予定を変更されてるのに、こいつの顔見てたら余計にでもイライラが募ってくる。


「俺と大輔は、中学と高校の途中までが同じ学校通った」


「あっそう」


「その後も何かにつけて付き合いがある」


「ふぅん」


だから、なんだって言うの。


「俺があんたに言いたいのは、大輔にホレてもムダだってことだ」


「なっ…!」


何をいきなり言い出す!?


「私は副社長のことなんて何とも……」


「そうか?昨日は視線が釘付けになってたぞ」



ギクッ。


「厨房にいると見えなくてもいいことがよく見えるんだよなぁ」


ヘラッ…と薄笑いを浮かべる。



「そ…そんなことないから!」


半ばヤケクソのように言い返した。


「そっちこそ、見苦しいくらいにケイをからかってたじゃない!」


私の言葉に反応して、唇の端を持ち上げる。


「ああ。だってあの子可愛いもん。いじり甲斐あるっつーか、何でもスグ間に受けるつーか」

「ケイは人と馴染み難い性格なのよ!」

「知ってる。吃るし赤面症だしな」


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