ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
知ってる。と言うか、わかってるし!


「そういうオレにも、同じセリフ言っとかねーとな」


ははは…と乾いた笑いをしてノンアルコールビールを煽る。


「オレがいいなと思う女は、大抵大輔の女なんだよな」


タン!とグラスを置いた男が嘆く。

それは愚痴?それとも告白?


「ハデな女連れて行こうとしてた時はさほど気にも留めてなかったのに、あの日のケイちゃんだけは違った」


あの日と称される日がわからない。


「あの日って」


呟くように聞いてしまった。


「水天宮祭の時」


ノンアルで酔っ払うはずもないのに、何だかどんどん態勢が崩れていく。
前のめりの姿勢になり、テーブルの上に片肘を付いた。



「……お人形さんかと思った」


ボンヤリと呟く。


「お人形〜!?」


それ、ケイが聞いたら驚くよ!?


「そんくらいイメージが違ったって意味」


わかりづらぁ。


「可愛かった。薄化粧ではにかんでて」


「あーー」


つまり、そこで一目惚れしたとかいうことか。


「オフィスでのケイちゃんてあんな感じ?」


それを聞いてどうする。


「もっとジミかもよ」


制服を着た姿のケイを思い出す。


「もっとジミか〜〜。くっそぉ、見てみて〜なぁ」


「ちょっと……」


あんたは私にクギを刺したかったんじゃないの!?


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