ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
呆れるように呟きながら胸の中に広がる意地の悪い感情。


あの元カノのように、ケイの彼に擦り寄ってみようか。
「私のことも見て下さい」と告白したら、どんな顔をするんだろう。



(バカらしい……)


歯を食いしばって文字を送った。
涙は落ちるのをやめ、胸の中には怒りみたいなものが生まれつつあった。



『私は平気。ケイは心配しなくていいよ』



そう。私と羅門とかいう男のことを気にする必要はない。
むしろ、自分の彼との距離に気をつければいい。


恋愛はキレイなだけじゃないんだ。
ドロドロと汚くて、最低な部分もあるからキレイに見える。


二人の仲を壊そうなんて思ってもない。
ただ、一度でいいから気持ちをぶつけみたいという思いが膨らんだ。



『一晩くらいの相手にならしてもらえるかもしれねーだろ』


そんなバカみたいな言葉が脳裏を掠めていく。

あり得ないことだと思っても、どこか期待する愚かな自分だった……。


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