ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
優しい味に絆された
翌朝も眩しい日差しが照りつける中、オフィスビルへと向かう。
街路樹の隙間から降り注ぐ太陽光線の熱に焼かれ、体の奥が溶けていきそう。
(あっ…ケイだ……)
後ろ姿が見える。
その背中に近づきながら、ゴクッと唾を飲み込んだ。
「ケーイ♪」
努めて明るくいつものように声をかける。
私の企みなんて知らない彼女は、ビクッと背中を伸ばして振り返った。
「聖!」
丸っこい目が更に真ん丸になる。
「おはよう。今日も暑いね!」
並んで歩く私の顔を見ていた彼女が、驚いたような表情をした。
「ん?」
目線を向けると、指を指して尋ねる。
「…メガネは?」
トレードマークにもなっている赤縁のメガネ。
昨夜の企みを思いついてから、掛けるのはやめようと決めた。
「んー、ちょっとしたイメチェン」
ふふっと笑う。
ケイは呆気にとられたような感じで、そうなの…と気の抜けたような声を出した。
「あっ!もしかして羅門さんとのケンカが原因とか!?」
「ないない!それはないよ!」
大慌てで否定する声を聞き、ホッとするケイ。
「だったらどうして急に?」
当然のことながら疑問をぶつけてくる。
「悪女を演出してみたくなったの」
……とは、間違っても言えないから。
「新しい恋を裸眼で探すのもいいかと思って」
用意しておいた言葉を告げた。
街路樹の隙間から降り注ぐ太陽光線の熱に焼かれ、体の奥が溶けていきそう。
(あっ…ケイだ……)
後ろ姿が見える。
その背中に近づきながら、ゴクッと唾を飲み込んだ。
「ケーイ♪」
努めて明るくいつものように声をかける。
私の企みなんて知らない彼女は、ビクッと背中を伸ばして振り返った。
「聖!」
丸っこい目が更に真ん丸になる。
「おはよう。今日も暑いね!」
並んで歩く私の顔を見ていた彼女が、驚いたような表情をした。
「ん?」
目線を向けると、指を指して尋ねる。
「…メガネは?」
トレードマークにもなっている赤縁のメガネ。
昨夜の企みを思いついてから、掛けるのはやめようと決めた。
「んー、ちょっとしたイメチェン」
ふふっと笑う。
ケイは呆気にとられたような感じで、そうなの…と気の抜けたような声を出した。
「あっ!もしかして羅門さんとのケンカが原因とか!?」
「ないない!それはないよ!」
大慌てで否定する声を聞き、ホッとするケイ。
「だったらどうして急に?」
当然のことながら疑問をぶつけてくる。
「悪女を演出してみたくなったの」
……とは、間違っても言えないから。
「新しい恋を裸眼で探すのもいいかと思って」
用意しておいた言葉を告げた。