ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
この人にその思いを伝えてみたい。
伝えるんだと意識したからこそ、今日はこうしてイメチェンを図ってきた。
「いいよ」
スパッと切り落とすような声を聞いた。
(えっ?)と顔を見上げる私に目を向けて、困った様な表情をされた。
「羅門が何か怒らせるようなことを言ったんだろう?あいつ自分に正直だから、言わねぇでいいこともスグ口にするし」
「いえ、あの……」
「イヤな思いをさせたんだとしたら俺も謝る。悪いヤツじゃねぇんだけど、ごめん」
「済まない」よりもランクを落とされて謝られた。
同じラインに立ってくれたような錯覚に陥り、つい口にしてしまった。
「いいんです!あの人が言ったことは全部本当のことだったから!」
ただ私が認めようとしなかっただけ。
ケイの悲しむ顔を見るのが堪らずイヤだと思ったから。
でも……
ぎゅっと握りしめた指の先に力を入れる。
「えっ?」と声を出した人の顔を見つめながら、ドクドクと突っ走る心音を身につけて口にした。
「私が副社長のことを好きにならないよう羅門さんにはクギを刺されました。私はそんなことはないと訴え続けてたんですけど……」
「うん」
そうだろうという顔をしている人が頷きの声を発する。
それを耳に入れたら、何だか抑えきれない感情が押し寄せてきてーーー
「羅門さんから言われたことは真実だと実感しました!私は、副社長のことを…っ!」
伝えるんだと意識したからこそ、今日はこうしてイメチェンを図ってきた。
「いいよ」
スパッと切り落とすような声を聞いた。
(えっ?)と顔を見上げる私に目を向けて、困った様な表情をされた。
「羅門が何か怒らせるようなことを言ったんだろう?あいつ自分に正直だから、言わねぇでいいこともスグ口にするし」
「いえ、あの……」
「イヤな思いをさせたんだとしたら俺も謝る。悪いヤツじゃねぇんだけど、ごめん」
「済まない」よりもランクを落とされて謝られた。
同じラインに立ってくれたような錯覚に陥り、つい口にしてしまった。
「いいんです!あの人が言ったことは全部本当のことだったから!」
ただ私が認めようとしなかっただけ。
ケイの悲しむ顔を見るのが堪らずイヤだと思ったから。
でも……
ぎゅっと握りしめた指の先に力を入れる。
「えっ?」と声を出した人の顔を見つめながら、ドクドクと突っ走る心音を身につけて口にした。
「私が副社長のことを好きにならないよう羅門さんにはクギを刺されました。私はそんなことはないと訴え続けてたんですけど……」
「うん」
そうだろうという顔をしている人が頷きの声を発する。
それを耳に入れたら、何だか抑えきれない感情が押し寄せてきてーーー
「羅門さんから言われたことは真実だと実感しました!私は、副社長のことを…っ!」