ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
お陰でケイとの仲も壊れずに済んだし、副社長とも親しく話をする機会が増えた。


「あんた、まだ大輔のことが好きだとか思ってんのか?」


この間、私を呼び捨てにした男は、今日はまた「あんた」扱いに戻っている。


「そんなの聞いてどうするの?」

「んーー、まぁ、どうしようかなぁってところ」


答えを誤魔化しながら早く言えと言われた。でも、その前に聞いておきたいことがある。


「貴方の方はどうなの?ケイのこと気になってるみたいだったじゃない」


鋭く突っ込んでみた。


「ケイちゃん?あの子は確かにイイよ」


私の視線から目を逸らせ、少し上に向ける。


「でも、大輔の女だから手も口も出せね。オレは何より大輔の方が大事だから」

「いい友人なんだ」

「大・親友だからな、オレ達。それよりもさっきの質問の答えは?」

「副社長のことはステキだと思うよ。でも、私が好きなのは副社長だけじゃないの。ケイも込みで好きだと気づいた。あんなカップルに私も誰かとなれればいいなって思う」


心の深い所で繋がってるような気がする。
そんな関係でいれる二人が最高に羨ましい。


「オレとは?」

「はっ?」


「オレとはダメか?」

なんと!?


あんぐりと口を開けて黙り込んでしまった。

羅門という男は照れくさそうにしていて、その返事をするには、私の心の準備も出来てなくて。


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