五月雨物語
「そんなことか・・・」

翔は煙を私に向かって

吐き出しながら

顔色一つ変えず言った。

「まあ

男には色々女に言えん事情が

あるねんって!

まだ試験終わって一週間やろ?

好きなんやったら

信じて待ったれや!」

「慰めてんの?

男の事情ってなんやの?」

あたしは翔にあたった。

これは、いつものこと。

「別に慰めてないで。

お前が好きなんやったらって

待てって言うてるやん!

そんなぐちぐち悩んでるんは

時間の無駄やで~!

好きやったら待つ。

好きちゃうんやったら別れる!

それしかないやろ?」

いとも簡単なことのように

ニカっと笑った。

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