五月雨物語
塁を嫌いになった訳じゃない。

一番好きな人だ。

ただ、やきもちをやいたり
毎日メールをくれなかっただけ。

いてほしい時に
傍にいなかっただけ。

聞いてほしい時に
聞いてくれなかっただけ。

だから、塁は悪くない。

あたしが大人になれなかっただけ。

ずっと待ってあげれなかっただけ。

塁の愛情が形に見えなかったから
寂しかっただけ。

確かなしっかりした
愛情がほしかった。

やきもちやいたり
喧嘩したりしたかった。

行くな!と、言ってほしかった。

穏やかな愛情は
切なくて物足りなかった。
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