五月雨物語
でも、塁の顔が

あまりに無邪気だったから

そう言われて

なんとなく嬉しかった。

別れがない大きな愛情のような

気がしたから・・・

今ならその意味がわかるから

ありがと!っていえるけど。

塁は家族を愛してたから

その愛に近いというのは

凄いことなのかもしれない。

「あたしのほうが先に

おばあちゃんになっても?」

「うん。お前が先に

おばあちゃんになっても・・

俺がいつか看護士になったら

介護してやるから心配すんな~」

って、笑った。

あたしはこんなあったかい太陽を

どうして見失っていたんだろう?
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