五月雨物語
「ごめん、
あたし連絡ない間寂しくて
正直揺れたし

好きになりかけた・・・」

「付き合おうって言われたの?」

「来年仕事辞めたら・・・って」

「あはは、ユラはバカだな~!

俺みたいなのはめったいないよ

よし、翔が本気かどうか

俺が聞きに言ってやるよ!」

「え~?

翔がほんとのこと言うかな~?」

「いや、男同士ってわかんの!」

「でもまだお店やってないよ~」

「そか。あいつも店じゃ

仕事だし本音で話せないよな。

じゃ、外で会おうって伝えて!」

塁は本気だった。

そこまで言ってくれた塁。

キレもせず許してくれた

その上、翔に会うなんて・・・

これを愛って言わずに
なんて言うんだろう?

でも・・・

「ねえ、塁くん。

私の事好きじゃなくなったら

そのペンダント外してね」

それは私の自己嫌悪から出た

苦し紛れの言葉だった。

私は塁を心で裏切ってたから

胸が苦しくて仕方なかった。


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