五月雨物語
翌朝、あたしは再び
病院へ向かった。

303号室。
ここだ!

二人部屋の窓際に
片足を吊り上げられた
錬がいた。

「錬!大丈夫なのっ?」

「あ~、姉ちゃん!
やっちゃったよ。あはっ」

「あはっじゃないよ。もう~!
心配したじゃん!
新学期早々何やってんの~?」

車との接触だったらしく
人身になるため、今日も
一応検査があるらしい。

「あんた、頭とか平気?」

「ああ、頭はもともといいからさ」

こんな時に冗談言うな!
このバカ弟よ。

「まあ、死ななくて良かったよ!
ちょうど三連休とったから
欲しい物あったら言いなよ。
月曜までいられるからね。」

「さんきゅ~!」
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