五月雨物語
「錬太郎から今日渡された封筒

あれは塁くんの・・?
いえ、陽平君からですか?」

「はい、そうです。
きっと貴方は会いに
こられると思ってました。」

「何故、陽平君は京都に?

そして錬太郎が弟だと
わかったのは何故ですか?」

「陽平はここで
研修を受けていたんです。

ちょうど研修が終わる1週間前に
錬くんが入院されて・・・」

「ここで研修を、ですか?」

「ええ、陽平は私のいとこです。

おじが亡くなって
買ったばかりの
家のローンが払えず手放し
おばは・・つまり
私の父の妹なんですけど・・
実家に帰ってきたんです。」

「え?陽平君のお母さんは
こちらのご出身なんですか?」

「そうです。
おじの仕事の関係で
東京に暮らしていたんです。」
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