五月雨物語
あたしは適当に挨拶して

程なく店を出た。

きっと電話するという約束で。

でもあたしは、しなかった。

したくなかった。

あいつの嘘を

もう聞きたくなかった。

一つ嘘をつけば

すべて嘘になる・・・

っていうと悲しいけど。

まるで信用できなかった。

きっとまた気まぐれで

終わってしまうだろう。

別にいい。

人を信じることで

今の自分を乱されたくない。

あたしの生活は順調だった。

二つの仕事を両立させてることで

毎日充実していたし

現に忙しかった。

あたしは

常にトップ2を保っていた。

弱い人は辞めていく。

もうすぐ11月。

この世界に入って初めての

誕生日が近づいていた。
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