五月雨物語
「ねえ、ちょっと!」

あっ、やば~い!見つかった!

と思った瞬間

ナオが目の前にいた。

「ユラちゃん、シカト~??」


気まずい!!


「あっ、ひさしぶり~!」

平静を装ったものの

あたしは動揺していた。

「あたし、これから仕事で・・」

と、振り切ろうとした時

塁の姿が目に入った。

塁は微動だにしない。

なぜなら・・・

その足には膝から下に

真っ白なギブスが

生々しく固定されていたから。
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