五月雨物語
コール音が鳴る。

でもあいつは出ない。

なんだ・・・

やっぱり、そういう奴。

ほんの一瞬優しくなれた自分が

笑える。

落胆!!

今しかなかったのに・・・

そう思った瞬間携帯が震えた。

見知らぬ番号。

あ、あたし・・

登録してなかったんだ。

「もしもし・・・」

「俺だけど」

「うん、今終わったよ。

怪我だいじょうぶ?

仕事は、してないよね?」

初めて聞く電話の声に

ドキドキする。

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