五月雨物語
それから程なくして

急に店内が暗くなり

派手な音楽が始まって・・

何も知らない塁は、きっと

応援にくる体勢でいたと思う。

その時だった。

ナオがマイクを持って叫んだ。


「ドンペリ入りました~!

従業員集合!

なんと、今日のお姫様は~」

塁がナオを見たその時

「ユラちゃんで~す!」

と、叫んだ瞬間、男の子達が

奥の席にいた塁を

引っ張ってきた。

「え~!何?なに?これ。

俺? え~?

ユ、ユラ、なんだよ!

まじで?」

目を真ん丸くして

塁があたしの隣に放り出され

ソレを見て

ナオが愉快そうに笑ってる。

他の子達もみんなこの作戦に

乗っかって楽しそう!


店内が、わ~!と盛り上がった。
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