五月雨物語
愛、そして後悔。

★六本木の夜★

塁と出会ってから3ヶ月。

クリスマスが近づいてた。

サンタさんが来なくなっても

小さい頃の習慣は抜けなくて

この季節になると

何かを期待したりする。

だから、一人でいるのは

寂しいのかな。

みんな、街にそれを

見つけにくるんだね。

あたし達は

そんな人たちを楽しませるのが

仕事だから

お互いに忙しかったよね?

未来がわかるのなら

どんなに忙しくても、きっと

傍にいる人を大事にするのかな?

みんな、この日常が永遠に続くと

思って大切なことを

後回しにしちゃうんだろう。

あたし達もそうだった。

あたしはクリスマスパーテイや

年末に向けて毎日の出勤になり

同伴、アフターの繰り返し。

塁も実習中は、携帯を見ることも

難しくて、夜は仕事で。

こんなに近くにいるのに

会えない日が続いた。

寂しかったけど

大丈夫って約束したから頑張ってた。


忙しさが

あたしを救ってくれてた。
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