五月雨物語
慌しかったクリスマスも終わり

メールだけのやり取りだった塁から

めずらしく電話があった。


きっと実習が終わったんだ!

あたしは

ずっと餌を与えられてない猫みたいに

塁の声に飢えてたっけ。

「久しぶり~!

元気かあ~?

よく我慢したね~。」

なんであんたは

年上気取りなんじゃ?


「うん!」

と可愛く答えるあたし。

おんなって恐い。

好きな人の前ならどこまでも

可愛くなれる!

「ねえ、水曜ひま?

久々にどっか行かない?」

「ほんとに?!いくいくう~!」

あたしは店があるのに

即座にOKした。

ずっとお休みなしで

働いたんだからいっか!

もう年の瀬も迫り

会社は、お休みだ。

やった~!



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