五月雨物語
この時に

あたしがもう少し賢くて

塁の深い愛情に気づけていたら

塁を失わなくて

すんだかもしれないのに・・・

あたしは、我儘で

おこちゃまで

なんで好きな人と会えなくても

平気なのか、わからなかった。

なんで不安にならないのか

わからなかった。

あたしが

会えない寂しさに耐えかねて

怒ったりする度に

「だいじょ~ぶだって!

俺とユラはつながってるから。」

と、言ってくれた。

それが塁のの~天気な性格じゃなく

どうでもいいんじゃなくって

あたしに対する深い愛で優しさで

信じきってくれてるんだってことを

もっと早く気づけていたら・・・

あんな別れは

なかったかもしれない。
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