子供達は夢を見ない
階段を上り切った所で異変に気がついた。

…マッドの奴らが戻って来てる…。

「どうやら、エンチルの奴らの仕業だったらしいぜ?」

「しかも、逃げられたみたいだな」

「行って損したぜ…」

「まぁ良いさ。トランプの続きをやろうぜ」

恩田がさっき隠れた部屋に入ったみたいだ。

さて、困った…。

逃げるには部屋の前を通るしか無い。
が、通るとばれる…。

「上に行くぞ」

さっき見つけたのだが、横に上に行く階段があるのだ。

二人はなるべく音を立てないように二階に向かった。

二階は住居スペースになってるみたいだった。
人の気配を探るが気配はしない。
恩田は適当な部屋に入った。
そして探していた物を探した。

窓とシーツだ。

ここは二階。
シーツを使えば降りられない高さじゃない。

恩田はシーツを窓の縁に固く結んだ。

「先に降りて良いぞ?行けるか?」

「多分大丈夫…」

埼京がシーツを使って下に降りる。
無事に降りたのを見届けると恩田も下に降り始めた。

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