子供達は夢を見ない
エンチルの施設はA〜Fまでの棟に別れている。
A、Bは生活スペース。
Cは武器庫等の戦闘専用スペース。
Dは指令、作戦スペース。
E、Fは多目的スペースとなっている。

唐木はF棟に移動する。

「こんにちは」

「おぅ」

「おはようございます」

「おはよう」

仮にも隊長という立場なので色々な人が声を掛けてくる。

唐木はドアの前に着くと、カードキーを通す。

ドアの上のランプが青く変化した。

それと同時にドアが開く。
中は教室が一つ分あるか無いかのスペースしか無い。
半分は修理中なのでブルーシートが張ってある。

唐木は前の方に移動すると周りを見渡す。
男女合わせて二十人くらいだろうか。

「さて、俺は三番隊隊長の唐木だ。君達は二次試験を通過した人達で間違い無いな?」

『はい!』

「宜しい…。今から最後のテストを行う。君達は学力に関しては二次試験を受けた。次は身体的能力だ。これに合格すれば見事『エンチル』の仲間入りだ。頑張ってくれ」

『はい!』

「良し!試験内容を説明する。今から君達にはバーチャル訓練を受けてもらう。これは意識を仮想空間に送り出す事により、現実となんら変わらない体験を出来る。ただ、死ぬ事は無い。君達はランダムで数人のグループに別れる。
グループ別に試験内容が違うので、注意するように。内容に関して難しさは変わらない。質問は?」

返事は無い。

「良し、今から隣の部屋に移動する。諸君!健闘を祈っている!」

『はい!』

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