子供達は夢を見ない
その存在には薄々気付いていた。
この国には、エンチルにもマッドにも属さない軍がある。
誰も明確な情報は無く、『らしい』程度の話しか無い。

昨日、部屋に戻ると羽根田が待っていた。

「お?どうした?」

「成功しましたか?」

「あぁ、まぁな」

「今日、恩田達が作戦をやってる内に棚木と名乗る男から通信がありました」

「棚木?棚木って誰だい?」

「彼は中立軍『ブレーメン』と名乗りました」

「中立軍!?」

「たまに噂される奴か?」

「恐らく…。彼が暗号で送った文がこれです」

羽根田がパソコンを見せる。

『我が名は中立軍『ブレーメン』君はこの世界の仕組みを疑問に持たないのかい?もし、疑問を持つなら仲間に話してみるが良いだろう…』

「どういう事ですか?」

埼京、前園、ブレーメン軍。
言い方はまちまちだが、言ってることは一つ。

『世界に対する懐疑を持つか持たないか…』
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