子供達は夢を見ない
「…おかしくないか?」

「…やっぱり?」

あれからひたすら建物を廻ったが、ひたすら階段を降りても降りても終わりが見えない。

「無限ループみたいですね…」

流石に疲れたのか羽根田は軽く息が上がっている。

「残り時間は後十分…間に合うのか?」

「大丈夫だよ。きっと出口はあるさ」

…また階段だ。

何階降りたか分からないが、三人には降りるしか手段は無い。

あいからわず同じ構造、同じ部屋…。

何かを見落としてるのか?
しかし、行ける場所は全て行ったし、敵も何人か排除した。

何がいけないんだ?

タイムリミットは迫っている。

「後五分…」

前木が小さく言うのが聞こえた。

何故だ!?
何を見落とした!?

「…!そうか!そういう事か!」

「どうしたの?」

「良いから着いて来てくれ!」

恩田は走り出した。
二人もそれに続く。

ひたすら階段を降りて、ひたすら走り続ける。

そして…

pppp!

『タイムアップです!今から現実世界に戻します。繰り返します。タイムアップです。今から現実世界に戻します』

三人を眩しい光が包んだ。
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