子供達は夢を見ない
「お疲れ様。隣の部屋で結果を聞いてください」

エンチルの誰かに三人はそう指示をされた。

三人は言われた通り隣の部屋に行く。

「お疲れ。恩田、羽根田、前木グループだね?」

中に居たのは唐木だった。

「さて、出口は見つかったかな?」

唐木が含み笑いをしながら言う。

「…あの試験に出口は無い。違いますか?」

「…っふ。理由を聞こうか?」

「エンチルの理念は『希望を捨てない』です。希望を捨てた時点で大人になる。あの試験は『最後まで希望を持ち続けられるか?』の試験ですよね?だから出口は存在しない…」

沈黙…。

すると静かに拍手の音がした。

「正解だよ。君達は合格みたいだね。流石私が目を付けただけの事はあるよ。その通り。あの試験は希望を持ち続けられるかの試験だ。一部は身体的な試験でもあるが、そんなのは入隊後にいくらでも出来る。用は気持ちだ。六グループ中、クリアしたグループは四グループ。二つのグループが失格になった…。おめでとう!君達は合格だ!」

三人は喜びあった。

「後日、詳しい書類を渡す。今日は寮に戻りたまえ。これはレベル1のカードキーだ」

唐木と羽根田は青いカードを。
前木は赤いカードをもらった。

「基本三人は今後一つのグループとして活動してもらう。これからも仲良くするようにな。…君達は仲間に恵まれたみたいだ」
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