テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

『俺だけど』



え、本当に誰?
オレオレ詐欺?まさか。



「私に息子はいませんが」



私の空っぽの頭は電話の相手をオレオレ詐欺だと確信した。



『知ってるわ!』



ノリのいいオレオレ詐欺さん…て、え?


「もしかしていくまる?」


タオルで髪を拭く手を止めて私は間抜けな声を出す。
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