テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
【Mio Side】
「次は俺ー」
「悠、もう少し待ってや!ここで諦めきれへん」
リビングから楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくる。
今日、紘那の隣にいるのは俺のはずなのに。
なんで料理なんかしてるんだろ。
あーあー袖なんて引っ張るなよ。
俺はジロリと春を睨みつけた。
そんなの、鈍感な春は気づきっこない。
俺なりの、必死の抵抗。
それぞれが学生の頃からゲーム大好きのShooting。
紘那がすぐに受け入れられることなんて分かりきっていた。
だから敢えてみんなには言わなかった。
せっかく二人きりだと思ったのに。
俺はトマトの皮を湯剥きしながらため息をつく。
本当は、今日はお土産を渡してその勢いで告白する予定だった。
それなのに。それなのに。