テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
「蒼はよく見てるね、俺のこと。好きなの?」
「はぁ?残念ながら澪ちゃんは対象外だよ」
「ふぅーん。…なんで分かったの?」
「見てれば分かるよ。何年一緒にいると思ってんだよ」
蒼は沸騰した鍋の中にパスタを入れた。
俺はすかさずタイマーをセットする。
「どう?可愛いでしょ」
俺はちらりと蒼を盗み見た。
「可愛いね。奪っちゃおうかな」
蒼もちらりと俺を見た。
「無理だね。だって紘那は俺のファンだから」
互いに見つめ合って、それから二人でお腹を抱えて笑いだす。
「俺はさ、澪ちゃんの味方だよ。
だから澪ちゃんのこと応援する。
……ただ、」
蒼はちょっと真剣な顔をする。